守谷市からTXと東武線を乗り継ぎ、柏のキネマ旬報シアターで、リバイバル上映中の「クルージング」を見てきました。
「エクソシスト」や「恐怖の報酬」のウィリアム・フリードキン監督、アル・パチーノ主演ということで期待していたのですが・・、なんだか物足りなかったです。
以下、ネタバレ有りです。
物語は、ニューヨークのゲイ界隈で発生した連続殺人事件の捜査を行うため、アル・パチーノ演じる警官スティーブが、潜入捜査に抜擢されます。
スティーブは筋肉を鍛え、黒いレザージャンパーを着て自らゲイを装い、夜な夜なゲイが集まるクラブに通って事件に関係しそうな情報を探ります。
クラブは大勢のゲイで溢れ、退廃的な雰囲気です。あちこちでゲイが相手を物色したり、既に行為が真っ盛りだったりします。
その描写がとってもリアルで、スティーブが嫌悪感や、性的対象として狙われる危機感により神経をすり減らしていく様子がとても現実感を帯びて伝わってきました。
そこまでは良かったのですが・・
後半、スティーブは犯人の目星を付けて追い詰めていきますが、「目を付けた相手がたまたま本当に犯人だった」みたいな、なんだかえらい捜査が雑な印象です。
また、ゲイのコミュニティで潜入捜査を続けるうちに、スティーブの内面に変化(というか目覚め)が生じて本人は葛藤に包まれます。
殺人事件の捜査よりも、物語的にはこちらの方がキモなのでは?という気がしますが、この映画ではラストを衝撃的にするための伏線程度にしか描かれません。
そんな感じでした。前半がとても良かっただけに後半は残念というか、やや勿体ない感じがしました。
入場者特典のバッジ。このバッジを身に着けていると「誘ってるのか?」と誤解されそうです。