白子町から渋谷に移動し、映画「モンパルナスの灯」を見てきました。
亡くなった後に、作品が世界的に非常に高く評価された画家モディリアーニを、ジェラール・フィリップが演じた伝記的映画です。
映画の冒頭、「この作品は事実に基づくが、史実ではない」と字幕が流れます。あくまで脚色された物語として見て欲しいということなのでしょう。とても謙虚ですね。
物語は、モディリアーニが35歳の若さで亡くなった1920年の前年、1919年に遡ります。彼は作品に対する評価が得られず、自暴自棄になり酒に溺れる生活を送っています。
そんな中、彼は若く美しい中流階級の娘ジャンヌと出会い、ジャンヌの両親の妨害を受けつつも結婚に至ります。人生に対する希望を取り戻した彼は、情熱的に創作活動に打ち込みます。
しかし、個展を開くも注目されたのは初日だけ。どうしてもどうしても作品が評価されない彼は、彼の才能を信じるジャンヌが献身的に支えるものの、絶望に陥る・・。そんな話です。
私は特に絵画には関心が無く、モディリアーニという名前すら知らず、「ジェラール・フィリップの映画を見たことが無いから、代表作とされるこの映画を見てみよう」と思って見てみただけです。
ですので感じたのは、「絵画など芸術に生涯を捧げようとする人は、作品に対する評価が得られないことで、まるで自我が揺らいでしまったかのように、ここまで悲痛に絶望するものなのか?」という驚きでした。
私はこれまでこのようなことは考えたことも無く、この作品は「芸術家の心理」というものを考えるきっかけになった気がしています。
ラストについては、色々な議論がありそうです。私は、モディリアーニの悲劇的な生涯を強調するための演出、もしくは、生前には彼を評価しなかった世の中を象徴させたエピソードと受け止めています。
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この映画は、モノクロの映像がとても美しいと思いました。
1920年ごろのモンパルナスは、パリの中でも貧しいものの芸術に打ち込む人たちが集まる街だったそうです。
おそらく下流とされる人たちが集う、カフェ、酒場、アパート、そしてモンパルナスの街。
1920年当時のモンパルナスはこんな、喧噪にまみれて雑然とした、活気ある雰囲気だったのかな?と思いながら見ました。
