行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「ホーリー・カウ」

新宿から有楽町に移動し、映画「ホーリー・カウ」を見てきました。

フランスの酪農が主産業の田舎が舞台です。

主人公のトトンヌは、見たところ10代後半。酒とセックスを覚え、他の若者らと喧嘩するなど、仲間とやんちゃばかりしている少年です。

そんな中、チーズ工房で働く父親が交通事故で亡くなります。母親はおらず、彼は一人で自分と幼い妹を養わなければならなくなります。

彼は父親が働いていたチーズ工房に雇ってもらいますが、喧嘩沙汰を起こして工房をクビになってしまいます。

そのため彼は、チーズのコンテストで賞金を獲得しようと思い立ち、父親が残した大鍋を使って、仲間や妹と手探りでチーズ作りを始める・・。そんな話です。

何十年もチーズ作りを続けてきた人たちが競うコンテストで、初めてチーズを作るトトンヌが入賞出来るわけがありません。

そのチーズ作りも、原料である生乳や酵素が無いので、農場の娘と仲良くなり、セックスをしている間に仲間たちに盗ませたりします。盗んだことがバレたら入賞出来るわけが無いのに。

そんな思い付きレベルの行動の連続なのですが、彼は真剣であり、チーズ作りの一つ一つの工程の難しさや大変さを思い知らされながら、そして妹の世話をしながら、チーズ作りを続けます。

そういう、生活のために手探りの努力を重ねるトトンヌ。この映画は、彼が苦労の過程を経て成長していく姿を描いた青春譚です。

私の感想は、フランスの田舎の美しさが印象的でしたし、トトンヌは明らかに未熟ですが、それでも妹との生活のために一生懸命考え、無理な目標を無理と知らずに努力する姿がとてもいいなと思いました。

私なんかは「まずは安定した収入を得ることを考えろよ」と思うのですが、トトンヌがチーズのコンテストでの一獲千金を狙ってしまうあたりに、若さゆえのせっかちさや安直さを感じました。

当然成功しないのですが、まあ、「今は失敗続きでもきっと何とかなるだろう」、「捨てる神があれば拾う神もある」といった、成長の過程にある彼に(ちょっと心配ですが)期待したくなる気持ちになりました。

おそらく数年後のトトンヌは、しっかりした性根がある大人になっているような気がします。

美しい自然の中、まだ世間知らずではあるものの、若者が地に足を付けて一生懸命に知恵を振り絞って努力する姿に惹かれる、とても気持ちがいい青春映画でした。

(備忘)
ヒューマントラストシネマ有楽町のシアター2、D列で見ました。この映画館はスクリーンがとても小さく、D列かもしくはその前の席が良いと思います。

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