行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「ウエスト・サイド物語」

午前十時の映画祭で「ウエスト・サイド物語」を見てきました。

「ロミオとジュリエット」の舞台を現代ニューヨークに置き換え、かつミュージカルにした作品です。

私がこの映画を知ったきっかけは、中学生の頃、両親が持っていたサントラ・レコードで「トゥナイト」や「マリア」を聴いたことでした。

当時、「なんていい歌なんだ!」と、中学生ながらにレナード・バーンスタインの楽曲に感激し、夢中になって毎日のように何度も繰り返し聴きました。


ネットで探した画像です。両親が持っていたレコードはこれだったと思います。


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「トゥナイト」はこちら。レコードはもう少し音がこもった感じでした。

その後、映画をレンタルビデオで見、楽曲だけではなく、力強くダイナミックな踊りに魅了され、廉価版VHSを買うなどして、何十回となく見てきました。


有名すぎる「プロローグ」のこのシーン。

また、私が中2の1988年でしたが、丸の内TOEI(当時の丸の内東映パラス)でリバイバル上映され、映画館で見る機会にも恵まれました。

船橋市に住む中2の私にとって、都内の映画館に一人で映画を見に行くのは、自分の活動圏の外側に出る、ちょっと勇気がいる行動でもありました。


1988年のリバイバル時のチラシ。

2006年には、渋谷のBunkamuraにブロードウェイキャストによる来日公演を見に行きました。ダンサーは男女とも筋肉が隆々とし、踊りがしなやかだったのが印象的でした。


私が見に行ったブロードウェイキャストの来日公演。その後も2回、来日公演を見ています。


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私が2006年に見たのとは違うかもしれませんが、大体同じ頃のCMの動画です。

それら鑑賞経験の一つ一つが私にとっては思い出であり、「ウエスト・サイド物語」は、長年にわたり私を魅了し続けた、私にとって至高のミュージカル作品です。

──

と、自分語りが長くなってしまいましたが、今回、午前十時の映画祭のおかげで、再び映画館の大画面で鑑賞する機会に恵まれました。

大画面&4Kでしたので、テレビ画面ではあまり気に留めなかった細部まで、じっくり見ることができました。また、何十年にもわたってこの映画で得た感激が思い出され、胸が熱く震えました。

私が特に好きなのは、「アメリカ」のシーンです。おそらく、作品中で最も踊りが激しいシーンではないでしょうか?

また「アメリカ」は、舞台と映画で演出が異なるシーンの一つでもあります。


この写真のように、舞台ではシャーク団の女性陣だけで躍動的に踊る、女性陣の見せ場です。

一方で映画では、シャーク団の男性陣と女性陣の掛け合いによる踊りに変わっています。女性陣の踊りに、キレのある男性陣の踊りが加わって、とても格好良くて見入ってしまいます。

どちらが良いということではなく、どちらも素晴らしいです。願わくば、舞台の「アメリカ」も動画やBlu-rayなどでもっと手軽に見られるようになると有難いです。


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映画の「アメリカ」。名シーンです。

舞台と映画で大きく異なるもう一つのシーンは「クール」です。

舞台では、ジェット団のリーダーのリフが、シャーク団との決闘を前にメンバーの気持ちの昂りを抑えようとするシーンでした。

映画では、決闘によりリフとシャーク団のベルナルドが死んでしまい、今にも暴発しそうなジェット団に対し、新しいリーダーのアイスが「冷静になれ。いま行動を誤ったらそれこそ本当に終わりだ」と強く説得するシーンです。

私はこれは確実に、映画の方が良いと思いました。「クール」という楽曲のタイトルに相応しい、激情の中で冷静さを保とうとする、緊迫感に満ちたシーンでした。


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クール。こちらも名シーンですね。

一方で、映画で個人的に残念だなと思っているのは、主役のマリアとトニーです。

「ウエストサイド」では、マリアとトニーのターンは「歌」を聴かせ、ベルナルドやアニタなど他の出演者のターンは主に「踊り」を見せる構成なのですが、この映画では、マリアもトニーも吹き替えです。

舞台では、トニー役の役者が、舞台の中央で「マリア」をよく伸びる声で劇場に響かせていました。それが映画でも堪能できたならば・・と思います。

マリアとトニーを演じたナタリー・ウッド、リチャード・ベイマーが悪いということではありません。後半の悲劇的な展開は、演技派の二人でなければ迫真味に欠けて成立しなかったでしょう。全部を求めるのは無理だというだけです。

何十年かぶりの映画館での「ウエスト・サイド物語」。本当に胸が熱くなる素晴らしい鑑賞経験でした。

(備忘)

TOHOシネマズ市原のスクリーン1、G列で見ました。

いつものスクリーン5と違うので若干不安でしたが、スクリーン1もスクリーンが大きくて心配いらない感じでした。

スクリーンからの距離が遠い気がしましたので、次はF列やE列でいいと思います。