「笑ふ男」を見ました。1928年のサイレント映画です。
舞台は17世紀のイギリスです。主人公の少年は、父親が反逆者として王に処刑され、自らも整形手術により常に歯をむき出して笑っている異形の顔にされてしまいます。旅の興行師に育てられた彼は、成長し、見世物小屋で有名になります。
パッと見は恐怖映画っぽいですがとても悲しい話です。主人公は心優しく繊細な青年で、自分が大衆の笑い者になっていることに絶望し、盲目のディアとの結婚にも踏み切れません。口は常に笑いながら、主に目で演技するコンラート・ファイトは凄いです。
正直、ビジュアルの異様さが気になって見始めたのですが、結構見応えのある映画でした。ヴィクトル・ユーゴー原作とのことですが、確かに文芸作品っぽいです。旅の道化師に身を落とした後も、宮廷の謀略に翻弄され続ける主人公が気の毒でした。
それはそうと、女優が綺麗です。
主人公が愛する盲目の女性ディアを演じるメアリー・フィルビン、悪い女公爵ジョージアナを演じるオルガ・バクラノヴァ。役柄は正反対ですがどちらもハッとするような美しさでした。