行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「行人」

このブログのタイトルの「行人日記」と私のハンドルのwayfarerは、夏目漱石の後期三部作の2作目、「行人」(英訳のタイトルが「The Wayfarer」)から取っています。

夏目漱石の前期三部作(「三四郎」「それから」「門」)が、現実の出来事に対する葛藤が描かれているのに対し、後期三部作(「彼岸過迄」「行人」「こころ」)は、他人からは見えづらい内面の苦悩を抱えた人物が描かれています。

特に「行人」は、気難しく家族からも疎まれている知識人の主人公が、心を許せる相手が全く無い中で人間不信に陥り、追い詰められて精神状態が破綻寸前になって終わる・・そんな話です。後期三部作の中では、最も凄絶な苦悩が描かれています。

私は高校の頃に夏目漱石の代表的な小説をいくつも読みましたが、この「行人」は全く他人のこととは思えず、何度も繰り返し繰り返し読んで、アラフィフになった今でも自分の原点のように感じています。

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