李香蘭が歌う「蘇州夜曲」が聞きたくて、「支那の夜より 蘇州夜曲」を見ました。
1940年の「支那の夜」を戦後に再編集した映画です。配役も「李香蘭」ではなく「山口淑子」となっていました。
ストーリーは簡単なもので、日中戦争の最中の上海を舞台に、日本軍に家族を殺され住む場所も失った中国人女性(李香蘭)が、日本人男性(長谷川一夫)に当初は抗日的な態度を示すものの、彼の優しさ、誠実さにほだされ、一転、日本人に家族を殺されたことなど忘れたかのように、彼を愛し服従するようになります。
日本にとって都合が良いプロパガンダ映画で、中国にとっては屈辱的なストーリーです。
李香蘭は、あどけなさは残るものの20歳とは思えないとても派手な顔立ちの美しさでした。声楽を学んだという歌声も本当に綺麗です。
李香蘭は終戦後の中国で漢奸罪(売国奴)で処刑されそうになりましたが、その理由のひとつがこの映画に出演したことだと言われます。
映画を見れば当時の中国の憤りは分かるような気がしますが、若干20歳の娘に一体何が選択できたのかな?と思います。
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李香蘭が「蘇州夜曲」を歌うシーン。