行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「ミツバチのささやき」

午前十時の映画祭で「ミツバチのささやき」を見てきました。

1940年頃のスペインの田舎で暮らす幼い少女の物語です。

村の公民館で上映された映画「フランケンシュタイン」を見て以来、少女アナは少し情緒が不安定に。姉のイザベラから「フランケンシュタインの正体は精霊。村の片隅の井戸がある空き家で精霊を見た」と聞き、アナはこっそりとその空き家に行ってみる・・。映画ではそんなアナの行動が淡々と描かれます。

私は、「フランケンシュタインは幼い少女にはショックが大きかったのかな?自分と同じ年頃の少女が殺される場面があるし」と思い、死を身近に感じた少女の不安な情緒を描いているのかな?と思いながら見ていました。

ところが、映画が終わった後に町山智浩氏の解説が流されたのですが、この映画が作られた1973年のスペインはフランコ独裁政権下にあり、「ミツバチ」は「スペインの民」の隠喩であること、アナとその家族は当時のスペインの様々な立場の人たちを象徴していること、そしてこの映画には独裁体制を批判する政治的なメッセージが込められていること、などが明かされました。

(町山智浩氏の解釈ではなく、この映画の制作スタッフがフランコ政権崩壊後に明かしたとのことでした)

映画には謎めいたシーンが多く、「言われてみれば」という感じもしましたが、むしろ種明かしをされて「そりゃ分かる筈ないわ・・」という気持ちでした。

個人的には「死」×「幼い少女の感受性」というテーマの方が好みですが。


アナ役のアナ・トレントは目が大きくてとても可愛かったです。

filmarks.com