行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「ノマドランド」

フォーラム福島で「ノマドランド」を見てきました。

主人公は、夫を病気で亡くし、不況で職も住居も失い、車上生活を余儀なくされた初老の女性です。この映画では彼女のような車上生活者を「ノマド」(放浪の民という意味だそうです)と呼んでいます。

彼女は、季節労働やアルバイトで生活費を稼ぐため、車でアメリカの各地を移動します。当初は生活の不安に心が捕らわれていたものの、それぞれの土地で出会う他のノマドたちとの交流や、アメリカの広大で多様な自然に触れることに生きがいを見い出すようになり、徐々に価値観が変化していきます。

映画に登場するノマドたちは、いずれも大きな喪失感や深い悲しみを抱えており、人生に対する前向きな思いは失われているようです。彼らは社会との積極的な関わりを避け、一人で生活し、そして死んでいく生き方を選択しているかのように見えます。その目に社会がどう映っているのかは他人には想像しづらいです。

この作品は、何も無ければ知らずに過ごしていたであろう、ノマドたちのリアルな姿をアメリカの現代社会の一側面として描いた良作だと思います。

追記;
この映画は、日本で言えばホームレスの実態をドキュメンタリータッチで描いたような作品です。清潔とは言えないものをそのまま見せていますので、人によっては生理的に苦手と感じる人もいると思います。優れた作品とは思いますが、好き嫌いが分かれそうですね。

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