行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「愛と追憶の日々」

「愛と追憶の日々」を見ました。1984年のアカデミー作品賞受賞作です。

少し風変わりな母娘の、約30年間にわたる愛憎を描いた作品です。ジェームズ・L・ブルックス監督が、淡々と、そして美しい音楽とともに爽やかな空気感で描いているのですが・・。

この映画の登場人物は、相手の気持ちを思いやるより先に、まずは「自分の感情を率直に表現する」「言いたいことをズケズケと主張する」感じです。遠慮や敬意の無い言葉のやり取り。

この映画は、家族、特に母と娘の愛情がテーマと思われるものの、そんな調子なので素直に感情移入できず、私には現代の(と言ってももう40年前ですが)アメリカ人の「個」の強さに付いていけない感じでした。

(もしかしたら、「ガープの世界」のような、ちょっと変わった登場人物たちのやり取りをユーモラスに描きながら、人生に対する洞察を感じさせる路線の映画なのかもしれませんが・・、そんな風には感じられません)

・印象的だったやり取り

アイオワ州に住む娘(デブラ・ウィンガー)が、ニューヨークへ旅した際、ニューヨーカーの女性たちとのランチの後、友人に訴えます。

「2人が中絶を告白し、3人は離婚経験者、1人は母親と絶縁状態、1人は仕事のために子供を寄宿舎に預けっぱなし。これがランチの会話なの!?」

と・・。

「ニューヨーカーはおかしい!」と言わんばかりですが、私はこの映画に登場するアメリカ人全般に、宇宙人を眺めているような違和感を感じていたので「お前が言うか?」と思いました。

 

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