有給を取って、早稲田松竹で「バニシング・ポイント」の4Kデジタルリマスター版を見てきました。
あらすじは、商品の車を運転して運び届ける陸送屋の男が主人公。彼は友人と新車のチャレンジャーを、コロラド州からカリフォルニア州までの1200マイル(約1900キロ)を翌日までに陸送するという賭けをします。200km/h近いスピードで、休みなく飛ばし続けなければ達成できません。
チャレンジャーに乗ってハイウェイを爆走し続ける主人公。当然各州の警察は追跡しますが、彼は警官に追われようが障害物があろうがお構いなし。道路から外れたり、対向車線を逆走しながらも爆走を止めません。売り物のチャレンジャーは傷だらけ・・。
そんな中、警察無線を傍受した盲目の黒人DJスーパー・ソウルが、彼の行動に共感しラジオを通じて応援します。ラジオのリスナーの間にも共感が広がり、主人公は体制に反発するヒーローとみなされ、その行動は世間の大きな注目を浴びる・・、そんな話です。
(映画を見始めて20分ぐらい経った頃、「この映画はもしやひたすら車が爆走し続けるだけの内容では?」と思ったら、本当にそうでした)
感想は、少し言葉にしづらいです。この映画はアメリカン・ニューシネマに分類されています。主人公はベトナム戦争に従軍した経歴があり、愛する女性を事故で亡くした過去もあります。深い心の傷や喪失感、生きる理由を見失った虚ろな心の反動とも思える、破滅的な行動。
この映画のように、ストーリー性がなく、体制や旧来の秩序の外側に飛び出そうとする姿を、感傷的に描くばかりのとっても内向きな作品は、1970年代当時のアメリカの生の空気を知らない私には、共感にまで至ることができません。深い印象が残るものの、「なにか悲しそうだ」となんとなく感じるだけです。
この映画が現代も評価が高く、アメリカ人の心に刺さり続けている理由は、おそらく私には一生理解できないような気がします。
早稲田松竹。平日の昼間でしたがかなり客が入っていました。
高田馬場の街を散策しました。写真は駅前のBIGBOX。
早稲田大学の理工キャンパス。