午前十時の映画祭で「カサンドラ・クロス」を見てきました。
米軍の研究所から、感染したら高確率で死亡するという細菌が流出し、感染者がヨーロッパの大陸横断鉄道に乗り込みます。列車内という閉ざされた空間で、乗員乗客の約千名が感染の危機に・・という話です。
午前十時の映画祭のサイトを見て、「ソフィア・ローレンが主演したパニックものなんてあったのか」と思いかなり期待していたのですが、残念ながら今ひとつな感じでした・・。
主人公は、リチャード・ハリス演じる医師と、ソフィア・ローレン演じる医師の元妻です。
二人はたまたまその大陸横断鉄道に乗っており、列車内で次々と発生する感染者の対応に追われるのですが、少なくとも医師は感染症の知識を持っている筈なのに、マスクなどを着けない全く無防備な姿で感染者に接します。
途中、衛生兵らが列車に乗り込んできますが、彼らが白い防護服で完全防護しているのに対し、その傍らでは、ソフィア・ローレンが無防備な姿で感染者の世話をしています。感染者に接触した手で、自分の顔を覆って泣き出したりもします。
主役級の俳優らにマスクや防護服を着けさせたら、せっかくの顔が隠れてしまって映画として成り立たないという事情は分かるものの、あまりにリアリティがないと思いました。
また、ネタバレ過ぎるのであまり書きませんが、米軍は細菌の流出を隠蔽するため、ある陰謀を企てます。それがまた「さすがにそれはない。バタリアンかよ」と思うような、いかにも映画ならではの過激な内容だったりします。
そんな感じで、リアリティが感じられず、無理矢理危機的な状況を作り出しているようにも見え、どうにも入り込めませんでした。期待していたのにとても残念です。
完全防護の衛生兵たち。
その傍らで感染者の対応にあたる医師と元妻。軍に協力しているのだから防護服の一着や二着貸してやれよと思いました。