「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を見てきました。
マルチバースものの不条理な展開と、これ以上ない程のしょーもないセンス、ガクッと来るようなくだらなさが面白かったです。
この映画のテーマは、人生の選択を誤り続けたと後悔している女主人公が、それまでの人生を肯定的に受け入れられるようになる、そして分かり合えずにいた夫や娘ともお互いを理解し合えるようになるという、自身の内面や家族に閉じたとても個人的なものです。
それを、マルチバースの壮大な世界観でとっても大袈裟に展開させるギャップが、スケールが大きいのか小さいのかよく分からなくておふざけが効いていると思いました。
アカデミー賞の時期になると、いかにもな大作や感動作が公開されるわけですが、その対極にあるような、破壊的なナンセンスさに徹したこの映画が作品賞に選ばれてしまうあたりに、アカデミー賞の懐の深さを感じました。
入場者特典でエブエブのポストカードを貰いました。