行人日記@はてな

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ホラーマニアックスpresents 血みどろオールナイト2024 第二夜

池袋の新文芸坐で「血みどろオールナイト2024 第二夜」を見てきました。


「血みどろオールナイト2024 第二夜」のラインナップ。

ホラー映画4作品を、トークショーを含めて夜10時過ぎから翌朝6時過ぎまで、ぶっ通しで上映する企画です。

前回の第一夜は2月に開催されましたが、岐阜旅行と重なってしまって参加できませんでした。怪奇・怪物系のぶっ飛んだ内容のようでしたので是非見たかったのですが・・。

今回の第二夜は、ポスターからスプラッタな鮮血系かなと思いました。それこそ血みどろの、悪夢のような刺激的な一夜を過ごせるかもしれないと期待して見てきました。

以下、それぞれの作品の感想です。ネタバレ沢山ありです。

悪魔の狂暴パニック

1978年のアメリカ映画。原因不明の病気で髪の毛が全部抜け落ち狂暴化した人たちが、周囲の人間を殺しまくる話です。

冒頭は暖炉に女性を投げ入れて生きたまま焼き殺したりと「お!」と思ったのですが、その後はいまいち。低予算ホラーには低予算ホラーなりの魅力や楽しさがあると思いますが、この映画は単に安っぽいだけでした😅

トラウマ/鮮血の叫び

1992年のダリオ・アルジェント監督作品。拒食症の少女オーラの周囲で、首を切り落とされる謎の連続殺人が発生する話です。

アルジェント監督の作品だけあって全般的に煽りがうまいと思いました。

この映画での首の狩り方は、針金の輪っかを首に巻いて機械でギリギリと締め付けて切り落とすのがメインですが、その他にもすっごい首の狩り方があって、「この監督は首狩りの演出にこだわりでもあるのか?」と思いました。「サスペリア2」を思い出しました。

また、完全に切り落とされた筈の首が発見時にまだ生きていて、犯人に繋がる情報を主人公に伝えてから死ぬなど、「いくらなんでもそれはないだろ」と思わず吹き出してしまうトンデモなシーンがいくつかあって楽しかったです。素敵すぎると思いました。

ナイトメア

1981年のアメリカ・イタリア合作映画です。

主人公の男性テイタムは、「男女が惨殺される悪夢を見る」→「絶叫しながら目覚める」→「錯乱状態となり泡を吹いて失神する」を繰り返しており、すっかり精神を病んでしまっています。そんなテイタムが、措置入院されていた精神病院から失踪し、失踪の過程で殺人を犯す話です。

悪夢に苛まれるテイタムの、その苦痛やぶっ壊れた精神状態が真に迫っていていい感じでした。全編が狂気と血しぶきにまみれていました。

また、【超ネタバレ】ですが、この映画はラストが謎めいていて見終わった後もずっと引っ掛かっています。

この映画の後半は、テイタムと「CJ」と呼ばれる少年の攻防戦となります。CJ少年はしたたかな悪童で、何度か襲われ掛けるものの簡単には殺されません。

映画の終盤、CJ少年の家に押し入ったマスクの男(話の流れからテイタムだろうと思うわけですが、マスクを被っているので顔は見えません)がCJを襲いますが、CJに銃で反撃されて逆に殺されてしまいます。で、翌朝警察や母親が男のマスクを剥がすわけですが、男の素顔を見たCJの母親は、「これは離婚した元夫だ!」と叫んで終わります・・🤔

解釈は2通りありそうです。

①テイタムは悪夢から解放されるため、悪夢に出てくるのと似ている女性と少年を殺害しようとしている。このため失踪中に出会った女性を殺し、CJのことも殺そうとしている。CJが殺したマスクの男はテイタムではなく自分の父親であり、テイタムはまだ生きていてCJの家に潜んでいる。

②テイタムは精神病院から失踪し、元妻と息子CJの家を訪れる。その過程で殺人を重ねる。CJが殺したのは父親のテイタム。幼少期に父親を殺害したトラウマで悪夢に苛まれることになったテイタムの宿命は、息子のCJに受け継がれる。

私は①の解釈だと思いました。②の解釈だとテイタムが殺人を重ねる動機を説明しようがなく、単に異常者だから殺人を犯したということになります。また、息子のCJを殺そうとしているのに、元妻が全く狙われないのも不自然です。

テイタムは、殺害した女性の遺体に「申し訳ない」と涙ながらに謝っています。また、CJの家に潜入した後も、CJに対し電話で「(お前を殺す衝動を抑えられないから)今すぐ家を出ろ」と泣きながら伝えます。

そんなところからも私は①の解釈だと思うのですが、レビューサイトを見る限りでは、②の解釈の方が主流のようです。

追記;
マスクの男はCJに拳銃で腹に5,6発撃たれてもそれでもまだ襲い続けます。その後、更にライフルを2発受けてようやく絶命しますが、「ないだろ。13金のジェイソンかよ」と思いました。

ジュリア・幽霊と遊ぶ女

1977年のイギリス映画です。

7歳になる娘が食事中にリンゴを喉に詰まらせてしまい、窒息から救おうと娘の首をナイフで切り開いて死なせてしまう母親をミア・ファローが演じています。最悪の設定でとても良いと思いました。

でもその後、引っ越した先の家で心霊現象に見舞われ、関係する人たちも次々と事故で死んでいくのですが、娘の霊だか過去に殺された少年の霊だか、少年を殺した少女の霊だとか、いまいち誰を相手にしているのか照準が定まりません。

そもそもミア・ファローのアップがやたら多く、「これはミア・ファローのために作られた映画だろ」という印象を拭えませんでした。

眠くなって私の集中力が続かなかったせいかもしれませんが、退屈で「あとどれぐらいで終わるかな」と思いながら見てました😵️‍💫️


というわけで、悪夢のような狂気に包まれた一夜を期待したわけですが、純粋に楽しかったのは「トラウマ/鮮血の叫び」、そこそこ良かったのは「ナイトメア」で、残り2作は「うーん」という感じで、期待したのとは少し違いました。やっぱり上映される映画によりますね。

上映が終わった後、せっかく都内に来たのだからどこか行ける場所はないかな・・とも思いましたが、朝6時台ではマクドナルドすら開いておらず、眠いのもあって大人しく家に帰って寝ました。

シネマ・イクスピアリで「スティング」が上映されていて興味があったのですが、ボケボケの頭じゃ見てもしょうがないと思って、やめておきました。


座席の混雑具合。想像以上の盛況でした。ちなみに男性の客がほとんどで、幕間は男子トイレに長蛇の列が出来ていました。


エコノミークラス症候群が心配だったので、上映中、何度も足の運動をしました。


朝の池袋。