行人日記@はてな

昼の休みに今日見る雲も 頼りない雲 流れ雲

「エクソシスト 信じる者」

長男と「エクソシスト 信じる者」を見てきました。

正直、迫真性や説得力に乏しい、全般的に薄っぺらいドラマだと思いました。

タイトルの「信じる者(Believer)」とは、「神を信じる」ということではなく、「(人種や宗教を超えた)人と人との繋がりや連帯の力を信じる」ということのようです。

確かにそれは大切なことですが、手垢の付いた今更なテーマという感じが否めません。キン肉マンの友情パワーか?と思いました。

しかもこの映画では、悪魔に憑かれた二人の少女の親たちと、少女たちと関わりがある看護婦、教会の神父、近所の住人らが集まって、悪魔祓いの儀式を試みます。

人と人の繋がりを信じると言っても、そんな急拵えかつほぼ素人の集団が、本で得た知識だけで悪魔を祓えるとはとても思えず、「素人の怖さ」を感じました。なぜ彼らは、メリン神父やカラス神父でさえ命を落とした悪魔祓いの儀式を、「自分たちでも出来る」と思ったのでしょう・・。

この悪魔祓いの結末は、少女二人ともを救うには至らず、かつ他にも死者を出した点で、私は最悪の結末に近いと思います。

なお、この映画では、ネタバレになるので具体的には書きませんが、悪魔が二人の少女の親たちにある重大な「選択」を迫ります。

同じ「選択」をテーマにした映画が約40年前にありました。それは悪魔ではなく、第二次大戦中、人間が人間に強いた極めて残酷な「選択」でした。私はその映画は映画史に残る傑作だと思っています。

その映画を見ていたので、悪魔の残酷さが人間の本質的な残酷さと同程度に思えてしまってなんだかモヤモヤしますし、「またそのネタ使う?」という、これもまた今更感を感じました。

filmarks.com