行人日記@はてな

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「007 私を愛したスパイ」

「007 ロシアより愛をこめて」に続けて、同じ映画館で「007 私を愛したスパイ」(4Kレストア版)を見てきました。

うーん・・。正直に言えば「クソつまらない」と思いました。

あらすじは、人類が陸上で築いた文明に失望した大富豪が、新たに海底文明を興すべく、N.Y.とモスクワを核ミサイルで滅亡させようとする。その企みを妨ぐため、本来は敵同士である英国諜報部員のジェームズ・ボンドとソ連の女スパイ、アニヤが共同戦線を張る。数々の苦難に共に立ち向かううちに、アニヤはボンドを愛するようになる・・。

ボンドもアニヤも敵の大富豪も、みんな隙だらけ。ストーリーが大雑把で緊張感もリアリティもまるでありません。マンガのような展開が馬鹿馬鹿しくて「早く終わらないかな」と思いながら見ていました。

これより前の作品でも、007シリーズはスパイ・アクション路線(緊張感、ハラハラ感重視)とエンターテインメント路線(娯楽性重視)の間でバランスを取ろうと試行錯誤しているように見えていましたが、この「私を愛したスパイ」では、スケールが大きいド派手なエンタメ路線に全振りしたように思います。

(ちなみに次作品の「ムーンレイカー」では、エンタメ路線に更に拍車が掛かり、ボンドがスペースシャトルに乗って宇宙で戦いを繰り広げます。シリーズの黒歴史以外の何物でもなく、さすがに制作陣も反省したようで、次の「ユア・アイズ・オンリー」で再度路線の修正を図ることとなります)

「私を愛したスパイ」は、ロジャー・ムーアの、陽気、お洒落、ユーモアのあるキャラにぴったりな、派手で遊び心ある作品に仕上がっています。そういう意味では「ロジャー=ボンド時代」の代表的な007作品と言えると思いますが・・。私は全く楽しめなかったです。


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唯一良かったのはカーリー・サイモンが歌う主題歌「Nobody Does It Better」。

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